今回この舞台を観ようと思ったのはバッドエンドを描く事で有名な演出家の未満健一さんがどんな感じにロミオとジュリエットを描くのか気になったからだ
ちなみに私の知識はロミジュリは軽く知ってるぐらい
ロミオとロザラインというロザラインに焦点を当てた別舞台を観に行く時に一通り履修したぐらい
ロミジュリの舞台が昭和の大阪に変わった事で通天閣が見える浪花坂という地域のヤクザ者たちの話に化けるとは思わなかった
ストーリーはロミジュリのままだけど構成が違っていて
まず最初に2人が死ぬシーンから始まる
物語のクライマックスから始まるので驚いた
なんで2人は死なないといけなかったのか?から始まる導入はロミジュリで初めて観た気がする
遺体の近くに落ちていた2人が交わした交換日記から死因を探っていく演出は新しいなと思った
バラバラになった2人の交換日記に書かれた内容から見ていくので本来の時系列から外れていたけどそれが面白くて2時間あっという間やった
会話のテンポと展開が大阪弁ならではの速さだった
パンフで演出家さんと主演2人の対談読んだらシェイクスピアの舞台自体が会話のテンポ重視だったそうなので原作リスペクトかと納得した
悲劇なのに喜劇のように見えて観た後悲しくなかった
命短し恋せよ乙女って言葉を具現化したら夕莉子になるんだろうなぁって感じた
そのぐらい勢いがあった
たった5日の恋だったけどその恋に突き進んでいってしまう愚かさの説得力があり過ぎた
冨美男は恋に盲目になる男なんだろうなぁ
オザワリンへの恋心の抱き方がそういう人ぽかった
あとお互いの家が仲が悪いのも恋のスパイスになってしまったと思う
結ばれるのが難しいから駆け落ちするしかないみたいな激しい恋に恋する夕莉子と冨美男
ロミジュリ本家版ではいがみ合ってる理由がいまいちわかりにくい気がしたけど冨美男と夕莉子はわかりやすかった
ヤクザ者は面子が大事やもんなぁ
(私の学がないだけかもしれん)
舞台を昭和の大阪に変えたから酒場がスナックに変わってたのはおもろかった
白塗りになってるのが生きてる人で白塗りになってない人が死者なのは死者の記憶を覗いているからなのかなと感じた
でも白塗りが薄い人もいたからなんなんだろうなぁ
もしかして冨美男と夕莉子の死因に深く関わった人がガッツリ白塗りなのかなぁとも思った
あと赤色の使い方が綺麗
出演者の衣装や舞台セットに赤がふんだんに使われてて赤い糸のように見えたし情熱のイメージに見えた
赤の和傘で血飛沫を表現してるのも綺麗だった
花札の絵柄が描かれたパネルがずっとあるんだけどそれが【五光】という花札の最高役だったのは何か意味があったんだろうか気になるなぁ
とみゆりめちゃくちゃ面白かったしロミジュリを知るのにうってつけな入門編って感じがするから再演や演者を変えてずっと続いてほしいなと思った
(越岡さんの冨美男観たいけどメロオタ耐えれるかな・・・)